ヒマつぶし情報
2020.11.16
転勤族だけが知る
電波の狂った町〜獣編〜
大地けって翔び立つのよ
「リス園に行きたい」
それは関東へ転勤となり、少し落ち着いた頃に出た奥さんからの要望だった。
どうも新しい職場の同僚に、おすすめスポットとして聞いてきたらしい。
引っ越して間もないとは言え、「町田?神奈川じゃん?」とお約束のジョークを飛ばせる位には、僕も関東という土地に慣れてきた。
いいだろう。たまにはナウシカのごとく小動物を手なずけるのも悪くはない。
リスを肩に乗せてくるくる回り、触れ合う未来の僕が見えるではないか。僕は奥さんのこの誘いに二つ返事でOKした。
青空から舞い降りたら
そして晴れた昼下がり、意気揚々とリス園へ出発。園の近くまで来ると、可愛らしいリスのイラストが描かれた壁画が見えてくる。
「リスはともだち」となんとも押し付けがましいゲートをくぐると、金網の中で様々な種類のリスがのんびりと暮らしている。
リスの他にもウサギやモルモット、喋るインコなどもいるようだ。
園内には子供連れやカップルが多く、なんとも牧歌的な時間が流れている。
そう、僕はこの時まで完全に油断していたのだ、、、。
リスにエサをやりたい!!とはしゃぐ奥さんに連れられて「リス放し飼い広場」へと向かう。いよいよ僕が、怯えたリスに「ね、怖くない」と優しく囁く時が来たようだ。
と、そんな風の谷モードも束の間。
それらの妄想は入場後すぐ、脆くも崩れ去った、、、。
まず、ここへ入るにはスタッフにより厳重に管理された二重の扉をくぐらねばならない。
「扉を開けるのですぐに入ってください!」とスタッフに促されるまま素早く中に入る。
逃げ出したら大変だもの。用心、大事。
100円でリスのエサを購入すると、まず渡されたのは台所で使うようなひと組の軍手とミトン。はて?と一瞬戸惑うものの、(リスは繊細だから直接触って傷つけてはいけないんだな、、、。)と自分を納得させつつ周りを見渡す。
「放し飼い広場」は予想の倍以上広く、奥の方はなだらかな丘となっている。
所狭しと並ぶ、手作り感溢れるリスの小さなおうちたちがなんとも愛らしい。
ミニチュアではあるが、中には立派な城のようなものまであるではないか。
そしてそこらを駆け回る可愛いリスちゃんたち、、、と思いきや、、、
え、違う。
思ってたのと違う。
そう、ここに放たれた200匹のリスはおなじみのしましま模様ではない。
ビッグサイズな茶色くイカつい台湾リスである。可愛いシマリスを想像していただけにまずこの衝撃は大きい。
しかしリスはリス。
よし!ごはんだよ〜〜〜〜!
と友好的に近づくも、エサを持っていると判断されるが最後、その場にいるリスというリスがすかさず飛びかかってきたのだ!!!
キエィ!!キエィっ!!
と叫びながらこちらに向かってくる様は、さながらサイバイマンである。正直言ってめちゃめちゃ怖い。
逃げまどう僕、逃がすまいとするリス。
情けないと思っていたヤムチャ以下の僕がここにいる。小さいと思って完全に油断していたのだ。
もはやジブリの世界観とはほど遠い、ここは修羅の世界である。
そして観念して足を止めると、からだ中に遠慮なくよじ登ってくるリスの群れ。
刺さりはしないものの、服にしがみ付く爪の感触にビビる僕は、ただエサが食い尽くされるまでその場に立ち尽くすしかなかった。
触れ合うなどとは程遠い、僕はただのエサやり台と化した。(ちなみに奥さんは、とっくの昔に僕にエサの全てを押し付けて高みの見物を決め込んでいる。)
そう、人間は食物連鎖の頂点になどいなかったのだ。喰われてしまうかもしれないというこの恐怖は、そんじょそこらの動物園ではまず味わえないであろう。
リスって可愛くって大好き!と宣うそこの女子、そんな女子をデートに誘いたい男子はぜひ足を運んでみよう。最高の吊り橋効果となるに違いない。小動物の本気を垣間見れる貴重な施設、僕の中でも満を辞しておすすめスポットに認定である。
やさしくつかまえて
また大量のリスはもちろんのこと、随所に設置されている園長さん直筆の看板も見どころでなので要チェックだ。
(この記事のトップ画像もそうだぞ!)
描こうと思っても描けない味のあるイラストの数々、是非ともグッズ化して欲しいと関東を離れた今も願うばかりである。
おまけ
ちなみに園内にアオダイショウはいない。

ピザって10回言って
ピザ,ピザ,ピザ,ピザ,,,
じゃあココは?
pizza小僧